地域の皆様の健康を第一に考え、信頼される診療所を目指す
はしもとファミリークリニックは、大阪府豊中市に位置する地域に根差したクリニックです。2007年に私の父が開業し、2022年に私が院長に就任してクリニックの運営を引き継ぎました。
従来の内科に加え、私の専門である小児科とアレルギー科を診療科目に掲げ、赤ちゃんからご年配の方まで幅広い年代の患者様に対応しており、ご家族そろって通っていただける「ファミリークリニック」として地域医療を担っています。
POSレジと自動釣銭機の導入で会計ミスを防止し、スタッフの負担を軽減したい
従来、当クリニックでは会計計算機能のみを有するキャッシュレジスターを利用していました。
運用方法は、
レセコン(レセプトコンピューター:診療報酬明細書を作成するソフトウェア)から出力された金額を手入力でキャッシュレジスターに打ち込み、会計精算を行っていました。
診療終了後にキャッシュレジスターで売上報告レシートを出力し、レセコンの金額と照らし合わせ売上確認と締め作業を行うのですが、
金額に差異が生じることがしばしばありました。レジ金額の不一致は、スタッフに精神的なストレスを与えるだけでなく、どの会計で誤りが発生したかを特定するための確認作業が必要となり、
退勤前のスタッフに残ってもらうなど、業務上でも負担が生じていました。
そこで、2024年の院内改装に合わせてレジ周りの業務を簡素化するため、自動釣銭機に対応したPOSレジの導入を検討することにしました。
自動釣銭機に対応したPOSレジの導入に向けて、
大阪府医師協同組合にお勧めのメーカーはないかと問い合わせを行いました。その際、紹介してもらったのがスマレジでした。
営業担当者から操作感や運用方法の説明を受け、自身でもインターネットでスマレジの導入事例や実績を確認し、良さそうだなと感じ導入することに決めました。
検討当初、
自動釣銭機に対応したPOSレジは大掛かりな機器設置が必要というイメージがありましたが、スマレジはiPad1台で運用でき、受付周りがコンパクトに収まる点にも惹かれました。
スマレジとレセコンのAPI連携&自動釣銭機導入で、
「会計ミスが発生しない仕組み構築」と「締め作業50%削減」を実現
(1)スマレジとレセコンをAPI連携、請求額の自動連携により会計ミスが生じない運営体制に当クリニックでは、電子カルテシステムとレセプト会計システムが一体化した電子カルテ「BrainBox」を利用しており、スマレジと
API連携しています。
私が診療し電子カルテに情報を入力すると、自動的に診療報酬点数が算出され、患者様の医療費の自己負担割合に応じて請求額が計算されます。
患者様の氏名と請求額情報がスマレジに自動連携されるため、スマレジ側で患者様の名前を選択して金額を呼び出し、会計精算を行っています。
レジに金額を手入力する必要がないため、打ち間違いが発生せず会計ミスを防止できています。
はしもとファミリークリニック 会計フロー(before / after)
運用方法を決める際に、レセコンから出力された領収書のバーコードを受付スタッフまたは患者様がレジで読み取って精算するNON-PLU連携という方法も伺いました。
当クリニックでは、受付スタッフの負担軽減を重視していたことと、年配の患者様も多く来院されることから、レセコンとスマレジをAPI連携させて自動で情報が伝達される仕組みが、最もストレスのない運用方法だと判断しました。
(2)自動釣銭機連携で現金会計を自動化、セキュリティの強化も図れた現金会計には、
自動釣銭機を活用しています。
従来は手作業で行っていた預り金のレジ入力や釣銭の受け渡しが自動化されたことで、
スタッフの業務工数を削減すると共に、釣銭の渡し間違いなどの人的ミスを防止できています。
また、
自動釣銭機はキャッシュドロアと比べて現金の露出を抑えられるため、セキュリティが向上し安心して運用できるようになりました。これにより、スタッフの現金管理に関する心理的負担も軽減されていると感じます。
(3)金額差異が発生しない運用体制で、診療終了後の締め業務を50%削減レセコンとスマレジの
API連携および
自動釣銭機の活用で、
人的ミスが発生しやすい金額入力や釣銭の受け渡しが自動化され、精算時の金額差異が発生しなくなりました。これにより、
金額差異の確認のためにスタッフに残ってもらうこともなくなり、業務効率化と負担軽減を実現できています。
また、
診療終了後の締め作業も簡素化されています。作業は、スマレジの締め処理画面に表示される売上金額とレセコンの金額を照合し、完了ボタンを押すだけで完結します。
以前はレジの保管金額を手作業で数える必要がありましたが、現在は自動釣銭機内にある現金額がスマレジ画面上で一目で分かるため便利ですね。スマレジと自動釣銭機の導入により、
締め作業は従来の半分程になったと感じます。
精算はお客様側で行うセミセルフレジ運用で、接触機会を抑え感染対策に
当クリニックでは、
自動釣銭機を患者様側に向けて設置し、現金の投入や釣銭の受け取りは患者様自身に行っていただくセミセルフ方式を採用しています。
スタッフの手間を省けるだけでなく、
コロナ禍以降高まる感染リスク対策の観点から、接触機会を減らし感染予防対策も図れています。
また、スマレジと自動釣銭機の導入に合わせて、
キャッシュレス決済にも対応しました。
スマレジと決済端末が連携しているため、請求情報が自動的に決済端末に送信され、決済完了と同時に売上がスマレジに計上されます。シームレスな連携により、
効率的な会計処理を行えています。
ご年配の患者様は現金決済の割合が高いものの、最近では20~30代の若年層から40~50代の中年層まで、クレジットカードなどのキャッシュレス決済を利用される方が増えていますね。
はしもとファミリークリニック キャッシュレス決済会計シーン
デジタルツールの活用で、スタッフや患者様にとってよりよい環境を生み出す
当クリニックでは、自動釣銭機に対応したPOSレジの導入に加え、勤怠管理に
スマレジ・タイムカードを採用し、手作業による給与計算や紙で手渡ししていた給与明細をデジタル管理に移行しました。
また、診察における医療機器のDX化も推進しています。現在、一部の検査はまだ紙ベースで運用していますが、今後は検査結果のデータ化など、さらなる効率化を目指しています。
デジタルツールの導入当初、スタッフからは新しいシステムへの不安の声もありましたが、実際に運用してみるとスムーズに活用できています。
作業工数の削減は、スタッフの負担軽減だけでなく、患者様の待ち時間短縮やより患者様に向き合える時間の創出にも繋がります。今後もよりよいクリニック運営ができるよう工夫を重ねていきたいですね。