世界中のお客様に日本伝承の味「とらふぐ」の魅力をお届けする
弊社は1980年の創業以来、高級料理の代名詞である「とらふぐ」の魅力をより多くの方々に伝えることを目指し、とらふぐ専門店「玄品」の運営を中心に事業を展開しています。
日本国内での展開はもちろん、2017年以降はシンガポールや中国など海外への出店も積極的に進めており、現在は直営店とフランチャイズ店をあわせて国内61店舗・海外4店舗を展開しています。
ふぐは、アジアの一部地域で縁起の良い魚として好まれる一方、有毒部位を含むため多くの国で規制されています。日本では食品衛生法やふぐ調理師免許制度で安全性が確保され、調理技術も優れていることから外国人観光客から高い人気を集めています。
2023年以降のインバウンド需要回復に伴い、多くの外国人観光客が再び来店されるようになりました。
近年高まるラグジュアリーな体験へのニーズに応えるため、一部店舗では「高級天然とらふぐコース」の提供を開始するなど、インバウンド対応を強化しています。
予約システムとPOSレジ連携で、データを活用した店舗運営を図りたい
弊社は、店舗の将来的な成長を見据え、
「データを活用した効率的な店舗運営」を推進しています。
その一環として、数年前に外部システムとの連携に優れ、データ活用を促進する予約管理システム「
トレタ」を導入しました。
次のステップとして、
予約管理システムとPOSレジを連携させ、「予約者が何を注文し、いくら利用したか」まで追跡できる仕組みを構築したいと考えました。そこで、「トレタ」と連携可能な新しいレジへの移行を決定しました。
レジの選定においては、「トレタ」との連携に加え、
複雑なオーダー形式に対応できることも重要でした。
弊社のメニューは主にコース料理で構成され、一部のコースはお客様に味やメニューを選択いただく仕様となっています。そのため、システムでのメニュー管理や、スタッフが使用するハンディ端末において、柔軟な設定が可能であることが不可欠でした。
株式会社関門海 営業企画部 部長 伊熊様
これらの要件を満たすのが、スマレジの「
フードビジネスプラン」でした。
このプランは、POSレジ「スマレジ」とオーダーエントリーシステム「
スマレジ・ウェイター」が一体となっており、
飲食店運営に必要な機能が網羅されています。
さらに、予約管理システム「トレタ」との連携も可能でした。この連携により
「スマレジ」が持つ注文、会計情報、「スマレジ・ウェイター」が持つテーブル情報、「トレタ」が持つ予約・顧客情報がシームレスに繋がり一元管理が実現しました。
結果、
オペレーションの効率化と、深い視点でのデータ分析が可能になりました。
また、「スマレジ・ウェイター」は多様なオーダー形式に対応しており、
複雑なコース料理の設定も可能です。iPhoneにアプリをインストールすれば高機能ハンディとして活用でき、システムに登録した内容通りにオーダーを入力することができます。これにより、システムとハンディにおけるメニュー設定の課題も解決しました。
トレタとスマレジ連携で、来店経路を可視化
WEB予約上に開放するテーブル数の最適化で機会損失を防止
従来、弊社の店舗では電話予約が主流でしたが、コロナ禍を機に公式サイトやグルメサイト経由のWEB予約が増加し、昨年の繁忙期には全体の40%を占めるまでになりました。
来店経路の多様化に伴い、「店舗ごとの来店経路比率の把握」と「予約解放数の最適化」が重要となっています。
この点において、予約管理システム「トレタ」と「スマレジ」の連携が役立っています。
「スマレジ・ウェイター」で入店処理した予約なしの来店客は、トレタ上で自動的にウォークイン客として登録されます。これにより、電話予約、WEB予約、ウォークインの正確な比率を把握できています。
その結果、店舗ごとにWEB予約用に解放するテーブル数とウォークイン客用に確保するテーブル数の最適化が図れ、機会損失を防ぐことができています。
また、弊社では電話予約をコールセンターで受け付けています。スマレジとトレタの連携により、全店舗のテーブル状況をリアルタイムで一元管理できるようになり、遠隔からでも予約を受け付けられる体制が構築できています。
スマレジの分析機能で需要を把握、
インバウンド客ニーズに合わせた提案で高単価コースの受注数が向上
スマレジの導入により、以前は本部での集計が必要であった料理ごとの販売数などの詳細データを、店舗でもリアルタイムに確認できるようになりました。
さらに、客層管理機能の活用で、ファミリー客やインバウンド客といった顧客タイプや年代別の集計も可能になりました。これにより、店舗で即時に顧客ニーズを把握し、タイムリーに付加価値の高い提案を行えるようになりました。
フグを食べた経験が少ない外国人観光客は、スタッフの提案を重視する傾向があります。
そのため、スマレジのデータを活用して効果的な提案を行い、高単価コースの受注数増加を図っています。
例えば、スマレジの商品分析を確認すると、当店の人気メニューは以下であることが分かります。
1位 醍醐コース(6,500円)
2位 天楽コース(8,000円)
3位 天然とらふぐコース(15,000円~)
1位と2位は、どちらも養殖とらふぐを使用したコースです。
品数が多い「天楽コース」よりも、適度な品数と提供時間が特徴の「醍醐コース」が人気です。
これには、価格面だけでなく「観光時間を確保したい」というインバウンド客の潜在ニーズが影響していると考えられます。
一方で、3位に高単価の「天然とらふぐコース」がランクインしていることから、希少な料理を楽しむためなら滞在時間を気にしない層も一定数存在することが分かります。
この情報を基に、インバウンド客にグレードアップを提案する際、単に品数の多いコースを勧めるよりも、「天然とらふぐコース」を提案し、希少部位である白子が楽しめることを訴求した方が効果的ではないかという仮説を立てました。
実際に、この提案は成功しています。 このような成功事例を全スタッフに共有し、ノウハウとして蓄積しています。 その結果、お客様が予約時にメニューを選択済みであったとしても、高単価コースへのグレードアップを促せ、売上の最大化に繋げることができています。
株式会社関門海 営業本部 統括マネージャー 野口様
スタッフ別売上・販売数データの駆使で、接客強化や食材ロス対策に
(1)スタッフ別売上をもとに接客を強化、「もう1品」で客単価を底上げスマレジの
スタッフ別売上データを、接客の強化や教育に活用しています。
まず、高い売上をあげているスタッフを把握し、その接客対応を観察します。すると、料理の追加提案やドリンクの注文取得が上手いなど、
売上増加につながる具体的な要因が見えてきます。これを踏まえ、料理の追加提案が得意なスタッフには、フロア巡回の頻度を増やしてもらい、顧客に「もう1品」の注文を促す機会を創出しています。
さらに、売上の高いスタッフと経験の浅いスタッフをペアにし、実践的な接客や効果的な提案法を学ぶ機会を設けています。これにより、スタッフ全員の接客スキルを向上させ、客単価を引き上げる体制を構築しています。
スマレジ スタッフ別売上表画面(※画面は機能見本)
(2)販売数や構成比データから出数予測を算出、食材ロスや無駄な作業を軽減スマレジ導入で、
日次の商品別販売数と構成比を把握できるようになったため、より精度の高い出数予測が可能になりました。この情報をキッチンに共有することで、
効率的な作業計画の組み立てと仕入れ量のコントロールに役立てています。飲食店では、客席確保のためにキッチンをコンパクトに設計していることが一般的で、食材の保管スペースは限られています。また、フグやウナギなどの生鮮食品は日持ちしないため、適切な在庫管理が重要になります。
スタッフの育成強化や顧客ニーズに応じた提案で、持続的な成長を目指す
弊社では現在、スタッフの接客レベル向上に注力しています。人材採用が困難な中、個人の能力に依存せず、全体で接客レベルを均一化できる体制構築が重要だと考えています。
そのために、「玄品 銀座 新橋」のような売上・顧客満足度の高い店舗のノウハウを、他店にも浸透させていきたいと考えています。また、国内市場で次のコアターゲット層を構築していくことも課題です。若年層への認知向上のため、クーポン活用や年代別データ分析を通じ、新規顧客の開拓に取り組んでいます。
しかし、持続的成長には国内市場だけでは限界がありますので、急回復中のインバウンド需要への取り組みも重視しています。国籍により好まれる料理・価格帯が異なるため、今後は国籍別の集計・分析を実施し、よりきめ細かな接客と提案に活かさねばと考えています。
これらの取り組みを成功させるため、スマレジの機能も活用し、ニーズやトレンドを把握して売上増加に繋げたいですね。