産業・文化・ふれあいの施設が融合したガーデンパーク
霧島酒造は、1916年創業の焼酎メーカーです。
創業以来、宮崎県都城市に本社を置き、現在では同地域内の5つの工場で代表銘柄「黒霧島」をはじめとする商品の製造・出荷を行っています。焼酎業界の売上高では、おかげさまで12年連続日本一(※)を達成しています。
※引用元:帝国データバンク
また、工場と同エリアに産業・文化・ふれあいの要素が融合したガーデンパーク「焼酎の里 霧島ファクトリーガーデン」を併設し、直営しています。総面積13万6,000平米の敷地内には、製造工場、ミュージアム、レストラン、ベーカリー、ショップ、グラウンド・ゴルフ場などが点在しており、訪れる人々に「観る」「知る」「くつろぐ」「味わう」といった体験を提供しています。
この施設は、元々観光地ではない宮崎県都城市に人々を呼び込める拠点を作ろうという構想のもと、1998年に誕生しました。その後、施設の拡充やリニューアルを重ね、現在では団体バスツアーから個人のお客様、さらには外国人観光客まで、全国各地からお越しいただける施設へと成長を遂げました。
中でも、ビール醸造所を併設した「焼酎の里 霧島ファクトリーガーデン レストラン」は、焼酎造りの要である麹や発酵をテーマとした料理とこだわりのお酒が楽しめるため、多くのお客様にご来店いただいています。
焼酎の里 霧島ファクトリーガーデン レストラン
数値検証をスピーディーに行え、レストランの企画運営を支援するレジ
従来使用していたレジに不具合が生じたことをきっかけに、当時抱えていたレジ周辺の運用課題を解決できるレジへの移行を考えました。
従来のレジには、データ分析機能が備わっておらず、商品のABC分析や売上・予算管理に非常に手間が掛かっていました。当レストランでは、年間を通じて季節に応じたイベントやメニューを展開しています。企画進捗を確認し改善施策を立てようとしても、レジから抽出したデータを手作業で加工している間にそのシーズンが終了してしまうケースも少なくありませんでした。
また、
従来のレジは決済端末と連携することができませんでした。そのため、キャッシュレス決済時は、価格の二重入力が必要になり管理も別で行う必要がありました。これにより、
入力ミスが頻発し、レジの売上と実際の金額の照合作業など、非効率な業務が発生していました。
これらの作業を効率化し、本来の企画運営に注力できる体制を作るため、主要なレジシステムを全てチェックし、各システムのメリット、デメリット、コストをすべて洗い出しました。
霧島酒造株式会社 霧島ファクトリーガーデン事業本部 レストラン課 課長 京極様
その中で、スマレジを選んだ理由は主に2つあります。
1つ目は
柔軟なシステム連携が可能であったことです。
レストラン運営の最適化を図るにあたり、レジシステムの入れ替えと並行して、経営支援ツール
「TOUCH POINT BI」の導入やモバイルオーダーシステムの刷新を進めていました。
そのため、新しいレジにはそれら外部ツールとの親和性やAPI連携の柔軟性が欠かせませんでした。
各ベンダーとの打ち合わせでシステム連携の要望を伝えると、多くのベンダーから連携制限やカスタマイズが難しいという回答が寄せられました。
一方、
スマレジは柔軟な拡張性や豊富な連携アプリの提供があり、情報の一元管理が可能でした。
2つ目は
直感的な操作性です。
従来のレジでは、特定の操作を一部のスタッフしか把握できておらず、教育に工数が掛かるなど、属人化が課題となっていました。当レストランには、幅広い年齢層のスタッフが在籍しているため、
年齢や経験を問わず、誰もが感覚的に操作できる使いやすさを重視しました。
この点において、スマレジは操作性や管理画面の見やすさが他社製品と比べても優れていると感じました。
焼酎の里 霧島ファクトリーガーデン レストラン レジ会計
分析強化と企画運営に集中できる体制を実現、
データを基に立てた施策で顧客満足度UP・客単価130%増を達成
(1)月40時間の分析業務を削減、データを活かしたレストラン運営が可能にスマレジの導入により、当レストランの分析業務の効率が大きく向上し、より戦略的な店舗運営が可能になりました。従来のレジシステムでは困難であった
予算管理や日別、月別、時間帯別、商品別の詳細な売上や顧客属性の集計まで、幅広い情報を簡単に収集できるようになりました。
さらに、店舗にまつわるデータを可視化する経営支援ツール
「TOUCHI POINT BI」との連携により、スマレジを含めた様々な店舗データの一元管理を実現しています。毎日の店舗売上速報をLINEで自動通知する仕組みも構築でき、店舗の多彩なデータを素早く把握することが可能になりました。
これらの改善により、
以前は毎日2時間程かけていたExcelでの分析業務が、わずか1クリックで完結するようになりました。結果として、
月あたり約40時間もの分析作業時間を削減でき、空いた時間をより付加価値の高い企画運営業務にまわせるようになりました。
焼酎の里 霧島ファクトリーガーデン レストランにおけるシステム構造図
(2)顧客属性データに基づいた平日・週末のサービス形態変更で客単価130%増を実現スマレジ導入により実現したデータ分析と企画業務の強化で、顧客満足度と客単価の向上を図れた事例があります。
従来は、平日・週末も御膳やセットメニューを中心とした共通のメニュー展開で運営していました。
しかし、週末は平日の約2倍の来店数があるため、人手不足やサービスの質低下に陥るのが懸念事項でした。平日と週末で同じサービス内容にすることが正しい選択なのか疑念を持ちながらも、明確な改善策を掴めないでいました。
スマレジ導入後の詳細な顧客分析で、週末は若年層や県外からの来店が多いという傾向を掴むことができました。この情報から、週末のメニューをビュッフェ形式にすることで、お客様により多彩な料理を楽しんでいただけると同時に、店舗側も既存の人員で効率的な運営が行えるのではないかという改善案を立てることができました。
この施策は成功し、
顧客満足度の向上と業務の効率化を実現すると共に、
週末の客単価も従来比130%に引き上げることができました。
焼酎の里 霧島ファクトリーガーデン レストラン
テイクアウト・イートインに対応でき、
レジ連携可能なオーダーシステム
当レストランでは、コロナ禍を機にテイクアウト用のオーダーシステムを導入しました。
しかし、
従来のシステムはWEB上での注文受付機能のみで、レジとの連携機能がありませんでした。そのため、スタッフが管理画面にログインして注文内容を確認し、厨房へ注文を伝達するなど、多くの作業を手動で行う必要がありました。
この運用方法を改善するため、注文・会計情報をレジと連携できるオーダーシステムを探していたところ、スマレジと連携可能なモバイルオーダーアプリ
「L.B.B. Cloud」を見つけました。
レジとの連携に加え、
テイクアウトとイートイン両方のモバイルオーダーを1つのシステムで管理できる点も魅力的でした。将来的には店内の注文にもモバイルオーダーを活用したいと考えていたため、汎用性の高さも良いと思い導入を決定しました。
モバイルオーダーアプリ『L.B.B. Cloud』 注文画面
スマレジとモバイルオーダーアプリ
「L.B.B. Cloud」の連携により、外部からのオーダーがスマレジにリアルタイムで反映され、同時に厨房のキッチンプリンターから自動で注文伝票が出力される仕組みを実現できました。
これにより、
スタッフを介した伝達や会計時の商品情報入力の手間が削減され、効率的なオペレーションを実現しています。
約半年前からは、店内のイートインサービスでも
「L.B.B. Cloud」を用いたモバイルオーダーを導入しています。その結果、
1組のお客様に対するサービス時間が約3分の2に短縮され、サービス効率が向上しました。
同時に、
お客様との接点の頻度も適切なバランスが取れていると感じます。
お客様の中には、テーブルオーダーを通じて自分のペースで注文したい方もいれば、スタッフからおすすめメニューを紹介してもらい直接注文したい方もいます。そこで、モバイルオーダーと従来のハンディ端末による直接注文を併用しています。これにより、お客様との適切な距離感を保ちながら、個々のニーズに応じた柔軟な接客を実現しています。
焼酎の里 霧島ファクトリーガーデン レストラン テーブルオーダー案内パネル
顧客満足度向上と霧島酒造の魅力発信を両立し、価値を最大限に伝える
弊社では現在、全社的にDXを推進しており、社内の仕組みを一元化して業務効率と生産性の向上を図っています。私が管轄するレストラン事業でも、ここ数年でシステムの刷新や新規導入を進め、改善を実現しました。
しかし、現状のスタイルで満足している訳ではなく、今後も可視化できる箇所や改善の余地があると考えています。そのため、新しいツールや機能が登場した際には、当施設との相性を考慮しつつ積極的に取り入れていく方針です。
集客や売上向上は非常に重要ですが、それだけに注力して企画やメニューを考えてしまうと、「霧島酒造の文化や風土、焼酎の魅力を伝える」という当施設のコンセプトが薄れてしまいます。
顧客ニーズと霧島酒造らしさを両立させた企画や運営を行うことが重要だと考えていますので、この2つのバランスを取るためのヒントとしても、ツールやデータを有効活用していきたいですね。
今後も顧客満足度の向上と企業ブランドの強化を同時に実現し、時代の変化に適応しながら、霧島酒造の価値を最大限に引き出していきたいと思います。
焼酎の里 霧島ファクトリーガーデン