地方創生ソリューションで社会問題にアプローチ
弊社は1976年に設立し、以来、「社会の問題点を解決する」という大きな企業理念をもって運営してきました。
多くの方がパソナを人材派遣会社として認識されているかもしれませんが、阪神淡路大震災や後継者不足の問題をきっかけとして2008年から淡路島で地方創生ソリューション事業を展開してきました。
例えば、農業を介した人材育成や人材マッチング、観光事業を始め、淡路島の経済活性化に貢献してきました。また、廃校になった小学校をリノベーションして観光施設に変身させたり、瀬戸内海の夕日や地元の美食を楽しめるレストランなどを運営しています。(
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株式会社パソナグループ DX統括本部 鈴木様
省スペースかつ幅広い業種に対応できるレジ
2018年頃より、「
ニジゲンノモリ」のNARUTOのエリアや、「
ハローキティショーボックス」などの立ち上げに関わってきました。この頃は8〜9店舗ほどしかなく、据え置き型のレジを利用していました。
弊社では、代表や役員が施設のデザインに非常にこだわっています。そのため先に施設を建設し、その後でレジを導入する流れを取ったり、既に設置されたレジを移動することがあります。さらに、店舗数が急速に増加する中で、迅速にレジが必要になることがしばしばありました。しかし、当時使用していたレジの場合、設置にはレジ会社に現地に来ていただく必要があり、納品スケジュールも柔軟性がありませんでした。さらに、初期費用も高く、レジの移動や壊れたプリンターの交換などの作業で追加の費用が発生し、コストが増大していました。これらの問題を受けて、2020年末頃にレジスターの入れ替えを検討し始めました。
新しいレジシステムを選ぶ過程で、キッチンカーやイベント出店、省スペースでの営業に適したソリューションを求めていました。そんな中、クラウド型のPOSレジ『スマレジ』に出会いました。
私たちのように飲食、物販、宿泊など多種多様なサービスを提供する事業者にとって、一つのアカウントで全てを管理できるスマレジは理想的でした。特に将来的な顧客向けの一斉DM配信を通じた集客活動を考慮すると、これは最適な選択であったと考えています。
2021年から新店舗にスマレジを導入し、また既存の店舗では従来のレジをスマレジに置き換えるプロジェクトを開始しました。一度設置したレジも動かしやすいですし、故障してもローコストで購入できるところも利点だと思います。以前は一台のレジとキッチンプリンター、レシートプリンターのセットアップに200万円以上かかっていましたが、
スマレジの導入により、この初期コストを約10分の1に削減できました。さらに、iPadやプリンターをストックしておくことで、故障しても自分たちですぐ交換でき、稼働が止まることがないので総合的な運用コストは低く抑えられています。
のじまスコーラ施設内の「カフェ・スコーラ」での飲食会計
バレエや落語など幅広いジャンルのエンターテインメントを愉しめる劇場「波乗亭」 でのチケット販売
業種・業態に合わせたサービスの導入で業務効率化
(1)【飲食店の場合】モバイルオーダーでスタッフの工数を2人月分削減
飲食店の「カフェ・スコーラ」と「miele」の両店舗で、モバイルオーダーシステム『LBB Cloud』を活用しています。どちらのお店も規模は同じですが、営業スタイルには違いがあります。カフェ・スコーラではサラダをビュッフェスタイルで提供し、スタッフはメイン料理のみを提供しています。一方、mieleではスタッフが全ての料理を提供し、ピザにシラスを乗せ放題という特別なサービスもあり、お客様の回転率も速いため、迅速な片付けが必要になります。
これらの店舗で
モバイルオーダーシステムを導入したところ、オーダーを取る作業が効率化され、各店舗で最大2名のスタッフを削減しながらも運営が可能になりました。ご年配の方もたくさんお越しいただけるカフェスコーラでは、直接ご注文をお受けすることもあり、ハンディもモバイルオーダーも併用して臨機応変に対応できるところもいいですね。
調理管理に関しては、オーダーエントリーシステム『
スマレジ・ウェイター』でオーダーを取り、キッチンプリンターから出力される伝票を使って調理と提供を行っています。通常、キッチンプリンターは有線LAN接続が推奨されていますが、配線の問題で有線を使用できない店舗もあります。そういった店舗では、Wi-Fiがあれば利用できるブラウザベースの『
キッチンモニター』を使用しています。これにより、スマレジ・ウェイターで入力したオーダーを、キッチンモニター上で順番に確認でき、調理を進めることができます。
「カフェ・スコーラ」でのモバイルオーダーでの注文
(2)【物販の場合】モバイルPOSで精算、財務経理部の管理を適正化
私たちのオフィスでは福利厚生の一環として、従業員がオフィス内の売店でお弁当やパンを購入できる制度を設けています。以前のキャッシュレス端末では、売上がどのクレジットカードブランドからどれだけ発生しているかの情報しか得られませんでした。しかし、財務経理部から、各商品がどれだけ売れたかを知りたいという要望があがり、各オフィスに『
PAYGATE POS』を導入することにしました。
売店を利用する際は社員が自分でPAYGATE POSを操作し、キャッシュレス決済を行っています。商品数が少ないため、操作は簡単ですが、必要に応じて見ていただけるように利用マニュアルも用意しています。 『
PAYGATE POS LINK』を使い、スマレジとPAYGATE POSを連携させることで、商品情報の同期が可能になり、販売データの確認時には、スマレジPOSと同じように売れた商品や金額が分かるようになり、財務経理部の管理が適正に行えるようになりました。
キッチンカーや特設出店にも適したシステムだと思うので、今後はオフィス外でも活用していこうと思っています。 その他の物販店舗では、顧客管理サービスの「
ビートレンド」と連携してスマレジの会員機能を利用していたり、棚卸作業の効率化のためにRFIDを試験的に導入しています。また、インバウンド需要に対応するためにキャッシュレス決済や、釣銭ミスを防ぐための自動釣銭機を各店舗に導入しています。
オフィスのPAYGATE POSでお弁当やパンを購入
多店舗のレジ導入、メニュー変更を一つのチームで一括サポート、各店舗は運営に集中できるように
今では約60店舗を運営していますが、店舗の運営会社はそれぞれ異なります。 のじまスコーラやオーシャンテラスは「パソナふるさとインキュベーション」が、ハローキティに関連する施設は「パソナスマイル」が運営しているのですが、店舗設計やメニュー設定は私たちのチームが担当しています。
店舗責任者が運営に専念できるようサポートするため、レジや周辺機器の導入支援のみならず、スタッフへのレクチャーや運用サポートを
各運営会社から私たちにアウトソーシングしてもらう形を取っています。例えば、
メニューや価格の変更が必要な場合、私たちがスマレジやウェイターの管理画面で変更を加え、店舗側では同期だけをおこないます。また、レジに関する疑問や不明点については、私たちに直接連絡を取ってもらう体制を整えています。これにより、以前の
他社のレジシステムでは不可能だったスムーズな運用が実現できていると思います。
売上管理においては、運営会社が細かくチェックしています。各店舗の店長はスマレジ管理画面のダッシュボードで店舗の日別、月別、部門別売上を確認します。一方、経営層や営業部長は会社全体の数値を把握するため、スマレジとBIツール「
Tableau(タブロー)」を連携させて各店舗のデータを一括分析しています。
スマレジの基本機能だけでなく、外部ツールとのデータ連携を通じてより便利な環境を実現できています。
株式会社パソナグループの淡路島施設におけるシステム構成図
地方創生事業を淡路島から全国へ
今回、淡路島での取り組みのお話をさせていただいておりますが、
日本全国の都道府県に同様の取り組みを展開することで全国的な地方活性化のきっかけを作ることを目指しています。
そのためにまずは現在進行している淡路島での地方創生を成功させる必要があるので、これまで以上に淡路島が盛り上がるような仕掛けを生んでいきたいと思っています。
直近では2025年の万博に向けた宿泊施設の建設を予定しています。そのため、PMS(宿泊管理システム)との連携を組み立てていく必要があり、宿泊費用だけでなくルームサービス、施設内での飲食などを最終的に合算してお会計する仕組みを叶えられるよう調査を進めています。
スマレジ・アプリマーケットでリリースされているPMS連携サービスを利用するのか、もしくは公開APIを利用して自社でシステムを構築するかなど、私たちの叶えたい運用フローを実現できるように試行錯誤してまいります。
パソナ淡路島オフィス「GLOBAL HUB SQUARE(グローバルハブスクエア)」