国内で圧倒的なユーザー数をもつLINEを活用できるのは魅力です。「LINEはこれだけの人が使っていて、スマレジには標準機能で会員管理機能があるのに、どうして使っていないのか。売上を上げたい、と思っていてもどんなお客さまが何をいつ購入されていて、来店頻度はどの程度なのか等々、情報を得ることが大切。先ずお客さまを知ることです!」と社内で提案して、一部の直営店から導入をスタートしています。まずは「この直営店で導入したことで、これだけ売上と効果が見られました」という成功事例を作って、徐々に他の店舗でもスマレジとの導入を進めようと考えています。
定番のハードブレッドと並んで、米粉をつかったバケットも。ひと味違う品揃えで選ぶのも楽しい
購買履歴の重要性と活用方法
ーお客さまの購買履歴の活用イメージはあったのですか?
ロイヤルカスタマーを育てたいので、会員を差別化していきたいと思っていました。パンを買ってくださったのは会員だったのか非会員だったのか、会員は月に何回来ているのか、非会員がもう1回来てくれるにはどうしたらいいか、など。データは絶対に取れるはずなので、一刻も早く蓄積して分析したいと思っていまして。
ー以前は別の方法でデータを取得されたこともあるのですよね。
はい。まず去年の7月にやってみたのは、年齢や性別などのデータを店舗で取ってもらうことでした。オペレーションの問題で社内から抵抗がありましたが、今ではスマレジでの会計の前に男女や年齢層を選択するという設定にしたので、店舗スタッフの主観にはなりますが、そこで属性が取れるようになりました。その属性も当社では3つ設定していて、性別・年齢・スタイル(カップルなのかファミリーなのか、一人なのか)です。ロイヤルカスタマー化を目指すには「今どんなお客さまが来店してくださっているのか」は、絶対に必要な情報ですよね。
お客さまにとって、毎日触る「LINE」のなかにポイントカードがあるのは便利
LINE連携の認知は店舗の協力を得ながら
ーLINE連携をスタートしたことは、お客さまにどう告知しましたか?
告知方法は店舗のみで、POPなどを本部が作ってラミネートし、各店に送りました。2月末から始めて、友だちの数は12,000人(2022年6月時点)くらいです。店舗ごとに差がありますが、売上規模には関係なく、分かりやすいところに案内を貼ったりレジで声掛けをしている店舗では友だちが増えていますね。本部がPOPを店頭に貼りに行くなど、フォローも必要だと思います。
そうなんです。お年寄りの方でも、お孫さんとやりとりするためにLINEはお持ちなので声をかけやすいんですよ。あとは仮会員機能のおかげで、住所入力など面倒なことをしなくてもLINE idだけでいったん会員になれます。ポイントは本会員にならないと使えないようにしているので、いつか本会員になってくれるのでは...と考えています。
会員獲得のために、レジ周りにQRコードやキャンペーンのPOPを掲示
店舗からのLINEによるアプローチは本部で運営
ーロイヤルカスタマー化に向けて、LINEのメッセージ機能を使ってコミュニケーションを取ることもやっていますか?
はい、今も送っています。店舗が送ろうとすると大変なので、本部でメッセージ内容を考えて店舗に確認し、本部から配信しています。例えばフルーツティーを会員さまだけ50円引きにして優遇したり、新商品が出たら会員さまだけ試食がもらえるクーポンを配ったりなど。そうすると周りから見たら、あの人はなぜもらえているの?となりますよね。適度に会員さまを優遇することできっかけを作り、会員数をどんどん増やしていきたいです。
ーエドワードでデータを取るようになって、発見や気づきはありましたか?
以前、会員にだけメッセージを送ったのですが、効果があると感じました。例えばモーニングセットの紹介を写真付きで1500人ぐらいにプッシュ通知で案内した時です。前週の注文が11件だったのに、次の日は33件で完売になったんです。特典などは付けていなかったのに、通知だけで効果がありました。今後は、天気が分かる店舗なら、雨の日クーポンを当日に送ることもできるかもしれないですよね。プッシュ通知はやっぱり効果があるのだと分かっているので、まだ実装して3ヶ月ですが、ゆくゆくは色々な施策にチャレンジしていきたいと思っています。
「心とからだにおいしいパンを。」
酵母など自然を活かした食材にこだわり、心地よく過ごせるお店作りを心掛けています。米粉を使用したパンも多く、もちっとした食感も多くのお客さまに喜んでいただいております。昨今においては地産地消への取組みもスタートし、各店舗ごとに地域に根差した食材を用いたオリジナルのパンも販売中です。「また食べたいな」「また行きたいな」と思っていただけるようなパンと空間づくりを日々心掛け、みなさまのご来店をお待ちしております。
今回取材にうかがったアールベイカー和光店では、店舗でも管理画面のデータを確認して、店頭のパンの販売戦略や人件費調整などに活用しているそうです。本部ではもちろん、店舗の現場でもスマレジのデータが役立っていることが分かりました。是非、お店で焼き上げるできたてのパンを味わいにお立ち寄りください。