無人店舗へのPOSレジ導入前に押さえておく
7つのポイント
更新日:2024/11/20
無人店舗の開店にあたってPOSレジの導入を検討している経営者の方も多いと思います。
レジスタッフが不在の無人店舗では、導入するPOSレジの選択肢は下記の2種類に絞られます。
- 1:顧客が商品登録から支払いまで行う「フルセルフレジ」
- 2:商品一覧から商品を選択して購入する「券売機」
いずれも無人店舗で効率的な運営を実現するための重要なツールですが、扱う商材や店舗の規模によってどちらのタイプのPOSレジが適しているかが変わってきます。また、無人ゆえに徹底したセキュリティ対策を行うことや、店舗在庫のリアルタイム管理ができるシステムを導入することなど、導入前に考慮しておくべきポイントは多く挙げられます。
本記事では、無人店舗に導入するPOSレジ、特に「フルセルフレジ」と「券売機」の違いやそれぞれに適した業種、また無人店舗にPOSレジを導入する上でおさえておくべきポイントについて解説してまいります。
セルフレジにもなる!0円から始められる高機能POSレジ「スマレジ」
無人店舗に導入するPOSレジは
「フルセルフレジ」と「券売機」の2種類
無人店舗にPOSレジを導入する際は、顧客が自ら商品登録から精算まですべて行う「フルセルフレジ」か、商品を選んで商品チケットを購入する「券売機」の2つのタイプから選ぶことになります。そこで、2つのタイプのセルフレジを比較してまとめましたので、下記をご覧ください。
「フルセルフレジ」と「券売機」の比較
またレシートの発行まで全ての操作を行う。
ボタンを押すだけで購入が完了する。
通常は発券されたチケットが領収書を兼ねる。
(キャッシュレス決済のみ)
(キャッシュレス決済のみ)
慣れないうちは操作に時間がかかる。
なので、デジタルに慣れていない人でも
直感的で扱いやすい。
混雑時に待ち時間が発生する場合がある。
商品構成が固定されているため商品選択も速い。
1人当たりの利用時間が短く済むため、
待ち時間が短縮されやすい。
「スキャン抜け」や、意図しない
「スキャンミス」が発生する可能性がある。
チケット以上の高額商品を持ち出すといった
不正が発生する可能性がある。
店舗の品揃えに合わせて新商品を追加したり、
既存商品を変更したりすることが容易。
取り扱う商品の数や種類が限定されやすいため、
商品数が多い場合はある程度パッケージ化
するなどの工夫が必要。
フルセルフレジは、顧客が商品登録を行うため操作が複雑になりやすく、意図の有無に関わらず、スキャンされないリスクも一定数存在しますが、取り扱う商品の追加や削減の自由度が高く、多くの商品を取り扱う店舗に適しています。
「フルセルフレジ」の導入に向いている業種
- コンビニエンスストア
- 書店
- アパレル 等
一方、券売機は操作がシンプルで待ち時間が短縮されやすいですが、前払いとなるため、顧客が取得したチケットと実際に持ち出す商品が一致しないケースもあるため防止対策が必要になります。取扱商品が限定されやすいため、品目が固定されている店舗に適しています。
「券売機」の導入に向いている業種
- 食品
- フィットネスジム
- セルフサロン 等
ただし、例えばアパレルでも、古着のように、ある程度価格帯で分けられる店舗であれば「トップス1,000円」「トップス2,000円」「ボトムス500円」「ボトムス1,500円」のようにパッケージ化して販売できるケースもあり、そのような場合は、工夫次第で券売機でも十分対応可能になります。
「フルセルフレジ」と「券売機」のこのような違いを把握して、自店舗の運用にあったタイプを検討することが必要です。
では次に、無人店舗にPOSレジを導入する際に、事前に押さえておくべき注意点について 解説してまいります。
無人店舗にPOSレジを導入する際におさえておくべき7つのポイント
無人店舗では、POSレジを運用していく上で、通常の有人店舗にはない多くの注意点があります。ここでは、無人店舗にPOSレジを導入する際に、特に重要となるポイントを7つ紹介します。
ポイント1:初期費用が高額になる
無人店舗に導入するPOSレジは、フルセルフレジか券売機が前提になりますが、導入コストはフルセルフレジであれば1台200〜300万円程度、券売機であれば1台100〜200万円程度と、いずれのタイプも高額です。
無人店舗は人件費が大きく削減できるため、長期的にはコスト回収が期待できますが、短期的には初期コストにより小規模事業者には負担が大きくなってしまう面があります。
そのため、POSレジサービスを選ぶ際には初期費用無料のプランを選ぶなど、サービス内容の比較検討を行い、初期費用をできるだけ抑える工夫が必要になります。
ポイント2:セキュリティ対策の強化が必要
無人店舗では、セキュリティ対策が通常の有人店舗よりも重要視されます。スタッフが常駐しないため、万引きや支払いの不正リスクが高くなり、これに対応するための独自のセキュリティ対策が必要です。例えば、POSレジには監視カメラを設置し、商品のスキャンミスやスキャン抜けを防止する役割を持たせることが一般的です。
また、商品だけでなく備品の盗難対策も必要です。POSレジの中には市販のタブレット端末を活用するタイプがありますが、盗難を防ぐためのワイヤーロックの活用など、物理的な防犯対策もすべきです。
無人店舗のPOSレジでは、こうした複数のセキュリティ対策を組み合わせて、店舗の安全性を高める仕組みを作ることが重要です。
ポイント3:キャッシュレス決済のみが基本だが、
顧客層や立地によっては現金の取り扱いも考慮する
無人店舗では、効率とセキュリティの観点からキャッシュレス決済が主流ですが、顧客層や店舗の立地によっては、現金対応も検討すべきです。特に年配層などデジタルに慣れていない顧客が多い地域では、キャッシュレスのみの対応が不便に感じられることがあり、来店をためらわせる原因になりかねません。
また、観光地や公共交通機関に近いエリアなど、幅広い層が訪れる場所では、現金のみを持っている顧客も少なくありません。利用者の制限につながり、店舗の集客力にも影響を及ぼすため、こうした立地にある店舗では現金の取り扱いも視野に入れるべきです。
ただし、もしPOSレジの導入において現金決済も取り扱う場合は、現金受取と釣銭排出が自動化される「自動釣銭機」の導入が必須になります。
自動釣銭機
自動釣銭機は、機器の購入費用相場が50〜100万程度と高額なため、コストと収益のバランスをしっかり検討した上での導入が必要になります。
ポイント4:シンプルな価格設定にして釣銭を抑える
もし、現金決済に対応する場合、無人店舗ではスタッフが常駐していないため、釣銭切れが起きると即座に対応が難しくなります。そのため、商品の価格を500円や1,000円などキリの良い単位に統一することが、釣銭不足を予防する上で重要な対策です。シンプルな価格設定により、顧客が端数の小銭を必要とする場面を減らし、釣銭不足によるストレスを軽減します。
特に現金対応の無人店舗においては、頻繁に発生する釣銭補充作業がコストと手間につながるため、価格設定をシンプルにすることで、小銭の使用頻度を下げ、釣銭補充の頻度を抑えられます。また、複雑な金額よりもキリの良い価格の方が、商品選択がスムーズに進みやすく、顧客にとっても購入の意思決定をしやすいメリットがあります。
ポイント5:在庫切れに対する迅速な対応が必要
無人店舗では、スタッフが常駐していないため、在庫切れに気づくのが遅れるケースが多いです。その結果、人気商品や売れ筋商品の在庫切れが長時間続くことで、売上機会を逃すリスクが高まります。このようなロスを防ぐためには、リアルタイムで在庫情報を把握できるクラウド型のPOSレジが非常に有効です。
クラウドPOSレジでは、売上データや在庫状況が即座にクラウド上に反映されるため、店舗管理者は遠隔地からでもリアルタイムで在庫の動きを確認することが可能です。これにより、在庫が少なくなった際に即座に補充の指示を出したり、あるいは自動発注システムと連携して在庫切れを防ぐといった対応が行えます。
また、売上分析機能により、過去の売上データをもとに、どの時間帯や季節にどの商品が売れやすいかを把握することができます。これにより、特定の商品の在庫を事前に確保しておくなど、売上機会を逃さないための戦略的な在庫管理が可能となります。
ポイント6:わかりやすい操作案内が必要
無人店舗では、スタッフが不在のため、顧客がレジの操作に困った際のサポートが得られません。このため、特に初めて利用する顧客がスムーズに操作できるように、レジ周りに操作案内を設置することが大切です。
操作案内をわかりやすく配置することで、レジの使い方に不慣れな顧客が迷うことなくスムーズに利用でき、ストレスが減少します。特に、全体を通した買い物の流れやレジの使用手順を、図解や番号で示した簡潔な説明や、よくある質問に答えるQ&A形式の案内を設置すると効果的です。キャッシュレス決済の手順や、場合によっては商品を袋に入れる場所などの案内も加えると、全体の流れが理解しやすくなります。
可能であれば、ビデオ通話などスタッフと直接やりとりができる仕組みを作れれば、顧客が操作に悩んだ際の的確なサポートが可能になり、万が一、機器のトラブルなどが発生した場合の対応策としても機能します。
ポイント7:顧客の声を聞くための手段が必要
無人店舗では、顧客の意見や要望を直接聞く機会が少なくなります。しかし、顧客の声を反映することは、店舗運営の改善やサービス向上において非常に重要です。そのため、顧客の声を収集する手段を設けることが効果的です。
特に無人店舗では、レジの操作や支払い手順に戸惑う顧客も少なくないため、「レジ操作がわかりづらい」といった決済周りの不満や要望が多く寄せられる傾向があります。こうした意見に対して、レジ操作の案内を見直したり、操作案内のデザインを改善したりすることが必要になります。
顧客の声を収集する具体的な手段としては、質問箱や意見ノートなどを用意して顧客に記入してもらう方法や、レジや出口付近にQRコードを設置し、スマートフォンからフィードバックを送れるようにする方法などがあります。
このように、無人店舗にPOSレジを導入する上で留意しておくべきことは様々です。スタッフによる柔軟な対応ができないため、取り扱う商品や店舗の規模、客層や立地など運営全体を俯瞰した上で、「どのような機能が必要か」「どのように運用していくか」を熟考して、導入するPOSレジを選ぶ必要があります。
セルフレジにもなる!0円から始められる高機能POSレジ「スマレジ」
無人店舗に導入するPOSレジはクラウドPOSレジ「スマレジ」がおすすめ
スマレジは、高機能なクラウドPOSレジです。iPadにアプリをインストールしてPOSレジとして活用することで、低コスト導入と高い拡張性を実現しています。スマレジでは、無人店舗で運用可能なフルセルフレジと券売機を提供しております。
フルセルフレジ
スマレジのセルフレジ
スマレジのフルセルフレジは、小売業向けにバーコード読み取りが可能で、iPadを使用した手軽な導入が特徴です。顧客が自身で簡単にレジ操作を行い、注文から会計、レシート発行までを自動化することで、無人店舗でも効率的な運営が可能になります。
券売機
スマレジの券売機
スマレジの券売機は、注文業務を効率化し、チケット販売をスムーズに始められるシステムです。見やすい大画面により、顧客が迷わず操作でき、商品一覧画面のカスタマイズも自由に行えます。幅広い業種の無人店舗での活用が可能です。
いずれのPOSレジも小型設計のため、スペースが限られている無人店舗でも無理なく設置可能です。スマレジのセルフレジについて詳しくは、下記公式ページをご覧ください。
参考:スマレジのセルフレジ
無人店舗にスマレジを導入する3つのメリット
多くの業種の店舗で導入されているスマレジは、無人店舗に導入するセルフレジとしても最適なPOSレジです。無人店舗にスマレジを導入する大きなメリットは下記の3点です。
メリット1:スモールスタートに最適
スマレジはiPadを活用したPOSシステムのため、従来の専用端末や大型のレジ機器と比べて導入が非常に手軽です。選べる複数のプランを用意しており、セルフレジの運用が可能なプレミアムプラスプランは、初期費用無料、月額費用も8,800円 (※)と負担の少ない価格です。
※セルフレジの利用料は1,320円(1台/税込月額)です。
POSレジの導入費用を抑えてシンプルな構成からスタートできるため、初期コストがかかる無人店舗を新規で開業する際にも、リスクを抑えながら導入できるのが大きなメリットです。
また、使い始めてから必要に応じてプランアップや機能を拡張していくことが可能なため、店舗の規模や運営状況に合わせて柔軟に成長させられることも、スモールスタートに最適な理由のひとつです。
参考:料金プラン・価格一覧
メリット2:高額な自動釣銭機もサブスクプランで導入しやすい
先に述べたように、無人店舗で現金決済を取り扱う場合、自動釣銭機の導入は欠かせませんが、機器が高額なため、導入費用が店舗運営にとって大きな負担となることが多いです。そこで、スマレジのサブスクリプションプランが非常に有用です。
スマレジでは、POSレジの周辺機器をセットで月額制にするサブスクプランを提供しており、月々の定額料金を支払うことで自動釣銭機を含む周辺機器をレンタルできます。バーコードスキャナーやレシートプリンター、カスタマーディスプレイなど、無人店舗に必要な機器が揃ったセットの中に自動釣銭機も含まれ、月額36,190円(税込)から利用が可能です。
スマレジの自動釣銭機セット
スマレジのサブスクプランは、自動釣銭機導入のハードルを下げ、無人店舗における現金決済対応を経済的かつ効率的に実現します。詳しくは、下記公式ページにて詳細をご確認ください。
参考:機器サブスクプラン
メリット3:クラウドPOSシステムによるリアルタイム管理が可能
スマレジのクラウドPOSシステムは、売上や在庫状況をリアルタイムで把握できるため、無人店舗の運営には最適です。店舗にいなくても、離れた場所からスマートフォンやPCを通じて店舗の状態を確認できるため、在庫切れや売れ筋商品の動向などに素早く対応できます。
無人店舗では特に、在庫切れのリスクが売上ロスにつながりやすいため、リアルタイム管理の利便性が店舗運営の安定に貢献します。また、複数店舗の一括管理も可能なため、規模拡大にも柔軟に対応できることも大きなメリットと言えます。
まとめ
無人店舗へのPOSレジ導入は、効率的な運営や人件費の削減といったメリットから、様々な業種で関心が高まっています。クラウド型POSレジを導入することで、リアルタイム管理やコスト削減を実現し、無人店舗ならではの課題を解決できます。
ただし、スタッフが不在であることによる懸念点の解消も重要です。例えば、不正や盗難などのリスクに対する対策の徹底や、顧客の意見や要望を常に収集しながら、改善施策を実行する必要があります。
これから無人店舗を開業する方は、実際に既存の無人店舗を訪れて、どのように運営されているかを確認するのも有効です。店内のレイアウトやPOSレジの設置場所、操作案内の工夫など、成功している店舗から学べることは多いです。効率的で使いやすい無人店舗の運営を目指して、POSレジの選定を進めてください。